キャンプイン直前12球団戦力分析 ~東京ヤクルト~
プロ野球12球団戦力分析 ~スワローズ篇~
東京ヤクルトスワローズ (2017年:6位)
主な入退団
退団
真中監督
ルーキ
ギルメット
オーレンドルフ
リベロ
グリーン
今浪
飯原
入団(ドラフト除く)
小川監督
宮本慎也
石井琢朗(元カープコーチ)
河田雄祐(元カープコーチ)
山田大樹(元ホークス)
カラシティー(元カブス傘下)
ハフ(LG)
ジョーダン(元ドラゴンズ)
2017年総括
ホームゲームでの観客動員率が高い傾向にあり、そのおかげかホームゲームでの成績は借金10にとどまっている。しかしビジターでは僅か15勝のみで借金41を作り、球団史上ワーストの負け数「96」を記録し、5位のドラゴンズにさえ15ゲーム差の最下位に終わった。主に畠山や川端、秋吉を欠き、100試合以上出場したのは山田、バレンティン、坂口、中村の4選手のみという、スワローズにとっては毎年恒例とも言える「ケガ人の続出」により多くの誤算を招いた結果、高い攻撃力で失点した分を跳ね返すというスタイルが失われてしまった。
また力のある選手の不信も相次いだ。2年連続でトリプルスリーを達成していた山田を筆頭に成瀬、石川らもシーズンを通してもがき苦しんだ。優秀な助っ人外国人を連れてくるのがうまい印象があるが、こちらも活躍したのは強いて言えば6勝(13敗)を挙げたブキャナンのみで、期待に応える選手が殆どいなかった。
相次ぐ故障や不振に歯止めを聞かせようと秋吉の離脱後はルーキや小川をクローザーに配置転換させるなどの策を取ったが効果が無かった(秋吉はそもそも酷使しすぎた感が否めない)。終わってみれば全てが後手後手に回ってしまい、立て直すに立て直せないままシーズンを終えてしまったという印象だ。
2018年展望
投手陣の不安は外国人で一層できる可能性がある。既に日本での実績があるジョーダン、メジャー通算25勝左腕のハフ、守護神候補にはカラシティーを獲得。先発は既存のブキャナン含め3人で2枠を争い、守護神にはカラシティーという器用になりそうだ。ジョーダンに至っては中継ぎでの起用もできる。昨年は星や原などの若手も含め「使わざるを得ない」厳しい状況での起用が続いたが、投手陣の層が厚くなったことで、若手の成績の見栄えも良くなるだろう。シンプルに外国人で勝ちを取るだけでなくこれらの若手投手陣への副作用も望める。
野手では昨年目立った山崎と藤井がどこまでやれるかに注目したい。山崎は坂口とともにリードオフマンとしてのさらなる活躍が期待される。チームの顔になる将来も近いかも知れない。藤井は元々は捕手だったが三塁手として出場した。チーム最多の14失策を喫したが、忍者とも揶揄される時折見せる超人的な守備や元捕手ということを考慮すればこの辺りは、これからな部分があるので今年は許容範囲だろう。今季就任した宮本に鍛えてもらうなどしてこれから確実性を高めていけばいい。
首脳陣はセ・リーグで最も入れ替えが目立った。監督には再就任の小川。ヘッドコーチに宮本、リーグ連覇のカープから石井、河田がコーチに就任した。小川は第一次政権では低迷したチームを見事に立て直した実績があるため、今季もそれに期待したいところだ。また、チーム失策数がリーグ最多の86という守備の改善が急務だが、そこで宮本がどうテコ入れするか。昨季は記録的大敗を喫したことで「優勝はない」と考える人が多いだろうが、リーグ連覇の首脳陣が2人も入団した。リーグ連覇ノウハウを取り入れ改革を起こし「勝ちグセ」をチームにつけることができれば、Aクラスどころか優勝の可能性も充分にあると考えている。